llct.が大切にする”セレクション仕入れ”

llct.が大切にする”セレクション仕入れ”

──すべてを仕入れない、という選択

はじめに

llct.の仕入れ方法は、「ロットで仕入れる」という形ではありません。
お客様がご覧になるのは、数ある出会いの中で「選ばれた石だけ」──つまり、セレクション形式で構成されたルースたちです。

ではなぜ、このような形にこだわるのか。
その背景にある考えを、少しだけ綴ってみたいと思います。

すべてを仕入れない、という選択

バンコクの宝石市場では、日々、驚くほどの量のルースが取引されています。
同じ石種、同じようなサイズ、価格も似ていて、一見するとどれも「きれい」に見えます。

しかし、いざ手に取ってみると、大きな違い──角度によって変わる透明度、色味のばらつき、精巧なカットの効果などが複雑に絡み合った美しさが見えてきます。

たくさんの宝石をロットで仕入れることで仕入れ価格を下げることはできます。
しかし、ロット内で品質にばらつきがあるため、美しさに欠ける石も多く混在します。

ゆえに、llct.では「すべてを仕入れる」のではなく、
「この石は人に勧められる」と自信を持てるものだけを選んでいます。

自分の目で責任を持って選ぶ

私がセレクション形式を選ぶのは、売ることよりも先に、
「選んだ責任を持ちたい」という気持ちがあるからです。

品質的に問題がないというレベルではなく、
「自分が魅力を感じるか」という感覚的な判断を大切にしています。

特にカットの形状などは、バイヤーの好みを如実に反映します。

しかし、その偏りこそがllct.の「色」であり、
必然的に共感してくださるお客様と出会うための、ひとつのフィルターでもあると考えています。

おわりに

llct.は、量を揃えるお店ではありません。

しかし、「選ばれた石たち」には、それぞれに確かな意味が必要です。
その石が、手に取った方の視覚を通して心に豊かな輝きを添えることができるよう、
これからも、美しい石を届け続けます。

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